環境関連

DMEとは

DME(ジメチルエーテル:Dimethyl Ether)は、化学式がCH3OCH3で示される構造が最も簡単なエーテルです。

DMEは、常温常圧では気体で、化学的に安定しており、毒性はLPG並みです。オゾン層を破壊するフロンの代わりに、現在はスプレー缶の噴射剤として広く使われています。

DMEはメタノールの脱水反応やメタノール合成時の副産物として、世界で年間約10万トン程度、日本ではその1割程度が生産されています。燃料としてのDMEは当初合成ガソリン製造中間物質として考えられていましたが、原油価格の低下に伴って興味は失われました。その後、メタノール火花点火機関の始動補助、メタノール圧縮点火機関の着火促進などに関する研究が行われていました。

DMEの製造方法にはメタノール脱水法およびDME直接合成法があります。メタノール脱水法はメタノールの脱水反応でDMEを製造する技術で、既に商用化されています。DME直接合成法は、最近開発された手法で、水素と一酸化炭素から直接DMEを合成する技術なので、天然ガス、炭層ガス、バイオマス(含畜糞尿など)、廃棄物(一般廃棄物などのガス化溶融炉精製ガス、廃プラスチックなど)といった多用な原料から製造することが可能となります。

DMEは軽油並の価格で製造できることやDMEを圧縮点火機関の燃料とすると無煙燃焼することから新燃料として着目されています。さらにEGRによって低NOx排出濃度が達成でき、ULEVの規制を満足させうるポテンシャルを持つことから、次世代の燃料として注目され、噴射系統に関する研究も活発化しています。