環境関連

アルコール自動車

メタノールやエタノールを燃料とするアルコール自動車(燃料別にメタノール自動車・エタノール自動車と呼ぶ場合もあります。)には幾つかタイプがあります。

  (1) オットータイプ

  オットータイプとは、吸気管から予混合気を供給して火花点火させるタイプです。ガソリンエンジンと同様です。アルコールはオクタン価が高いため、オットータイプに向いているといえます。実用化に一番近いのがオットータイプです。

  地球温暖化対策の観点から再生可能エネルギーとしてエタノールが期待されており、オットータイプエタノール自動車がブラジル、米国、北欧で普及しています。米国では、エタノール85vol%とガソリン15vol%のE85燃料が実用化されており、E85燃料とガソリンの両方の燃料がいかなる割合でも運転可能なFFV(Flexible Fuel Vehicle)が普及しています。

  (2) ディーゼルタイプ

  ディーゼルタイプとは、シリンダ内に燃料を噴射して着火装置などにより着火させるタイプです。ディーゼルエンジンをベースに開発が進めらられていますが、オットータイプに比べると研究開発は低調といえます。

  アルコール燃料はセタン価が低いので圧縮着火(ディーゼル)には、基本的には不向きです。そこで、この問題を克服すべく二燃料噴射ディーゼルタイプやスパークアシスト方式が研究されています。二燃料噴射ディーゼルタイプとは、アルコールと軽油を二系統で供給し、軽油を着火用に、アルコールを主燃料として用いるタイプです。スパークアシストとは、ディーゼル機関にスパークプラグを付けたもので、オットータイプとディーゼルタイプの中間的なものといえます。