環境関連

液化天然ガス自動車(LNG自動車)について

圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)は、一充填当たりの走行距離が約200・と短いことが大きなウイークポイントです。またCNGスタンドの設置は、CNGが導管で供給できる範囲に限定されてしまいます。

  そこで、1996年から液化天然ガス(LNG:LIquefied Natural Gas)を燃料とする液化天然ガス自動車(LNG自動車)の研究開発が行われるようになりました。

  液化天然ガス(LNG)は、圧縮天然ガス(CNG)に比べてエネルギー密度が約3倍あります。つまり、同一サイズのタンクの場合、一充填当たりの航続距離がLNG自動車はCNG自動車の約3倍になります。LNG自動車は、特に長距離輸送大型トラックや高速バスへの適用に注目されています。

  液化天然ガス(LNG)は極低温のため断熱容器に保存されますが、燃料充填後に周囲からの入熱により最低沸点成分のメタンから蒸発し、BOG(Boil Off Gass)が発生します。容器圧力上昇を防ぐためBOGを容器から除去しますので、LNG中のメタン濃度が減少し、LNG組成が変わる「ウェザリング」現象が起きます。BOGによる損失は現在の断熱容器で一日に約2%以下です。

  LNG自動車の課題として、断熱容器の断熱性能の向上、BOGのエンジン消費、吸着材を利用したBOGの一時的トラップとエンジンでの消費などが指摘されています。