環境関連

「ディーゼル排ガスでぜん息」実証

ディーゼル車の排ガスとアレルギーの原因物質(アレルゲン)を長期間にわたって取り込むと気管支ぜん息が起きることを、国立環境研究所の研究グループがマウスを使った実験で実証しています。

研究グループはディーゼル車排ガスを含む空気を34週間にわたりマウスに吸わせ、アルブミンというアレルゲンを実験開始の15週間後から3週間に1回の割合で投与しました。

汚染がひどい地域に相当する1立法メートルあたり0.3ミリグラムの排ガスを吸わせてアルブミンを投与したマウスは気道の炎症を起こし、気管支ぜん息の指標となる好酸球という免疫細胞がアルブミンだけを投与したマウスに比べて14%増加していました。排ガスを同1ミリグラムに増やすと、好酸球は2.3倍になりました。一方排ガスを吸わせただけのマウスの場合、好酸球の数値に大きな変化はありませんでした。

このため、研究グループは排ガスとアレルゲンが一緒になることでぜん息が起きやすくなり、症状は排ガスの濃度に比例すると結論づけました。