(1) クリーンエネルギー
天然ガスは、メタンを主成分としたガスで、硫黄分やその他の不純物を含まないため、燃焼しても酸化硫黄(SOx)やススを発生せず、地球温暖化の要因といわれる二酸化炭素(CO2)の排出量も石油より2~3割少なくなっています。
(2) 高い安全性
天然ガスは、空気より軽く(対空気比重0.65)、もともとガス状なので、液体燃料のように地上に滞留せず上方に拡散します。燃焼下限界(燃焼できる空気中の燃焼濃度の下限)が、他燃料に比して高い(約4.5%)こと、自然発火温度も高いことから他燃料よりも安全性が高いといえます。さらに天然ガスにはCO等の毒性物質が含まれていませんので、ガス中毒の心配もありません。
天然ガスを燃料とする天然ガス自動車は、燃料の貯蔵方式で分類すると次のようになります。
(1) 圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)
天然ガスを気体のまま、高圧(20MPa)でガス容器に貯蔵するタイプ
(2) 液化天然ガス自動車(LNG自動車)
天然ガスを液体(-162℃)で、超低温容器に貯蔵するタイプ
(3) 吸着天然ガス自動車(ANG自動車)
天然ガスを、ガス容器内の吸着材に吸着させ、圧力数MPaで貯蔵するタイプ
現在、世界各国で利用されている天然ガス自動車のほとんどは、天然ガスを気体の状態のまま高圧(200・/・)でガス容器に充填する圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)の状態で利用する圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)です。