環境関連

都市ガス

  国内で都市ガス(12A、13A)として利用されている天然ガスは、輸入されたLNG(液化天然ガス)から熱量調整して製造されているため、硫黄分などの不純物を含みません。熱量調整により変動はありますが、13Aの場合、メタンが約88vol%、エタン、プロパンが約5vol%、ブタンなどがそれ以外の組成となっています。対空気比重が0.65と空気より軽く、主成分のメタンでは自然発火温度が540℃と高くオクタン価も約130と高くなっています。

メタンハイドレートとは

  メタンハイドレートとは、シャーベット状のメタンの水和物で、理想化学式はCH4・5.75H2Oです。世界の12の海溝にメタンハイドレートが大量に存在するといわれ、日本列島周辺の海溝にも国内天然ガス消費の約100年分に相当するメタンハイドレートがあると予想されています。

  メタンハイドレートを開発するには、圧力・温度変化を与えてメタンガスを放出させ、これを地表に輸送する必要があります。開発の過程で、固体が分解して液体とガスに変化する相変化に加えて分解に伴う吸熱反応が生じるため、熱・流体力学的観点などのマクロ的側面と分子制御・ミクロ輸送などのミクロ的側面から調べる必要があります。さらに、メタンハイドレート中のメタンをCO2に置換してCO2ハイドレートにしてメタンを取り出す方法などが研究されています。

  メタンハイドレートは、高圧・低温下において水分子で構成されるかご型結晶構造にメタン分子が一つ取り込まれた氷状の固体です。メタンハイドレートの特徴は、非常に大きいメタンの貯蔵能力であり、理論上結晶状メタンハイドレート1・当たり標準状態のメタンガスが164・まで貯蔵できます。メタン、水、メタンハイドレートの相図から、10気圧(水深100・)以上、15℃以下から1000気圧(水深10000・)以上、32℃以下の圧力、温度範囲でメタンハイドレートが存在するので、低温・高圧の深海で容易にメタンハイドレートが生成します。