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PM低減のための燃料技術 軽油品質項目の改善とPMの低減効果

  軽油品質を表す項目である蒸留性状、芳香族量、セタン価、硫黄分などが及ぼすPM排出への影響と軽油品質の改善について見てみましょう。

1 蒸留性状(軽質軽油)

  蒸留性状(T90、T50)の低下、すなわち軽油の軽質化に伴い、PM排出量は低下します。またその低減効果は可溶性有機分(SOF)の低減に、より強く現れます。

  T90は90%蒸発する温度、T50は50%蒸発する温度のことです。T90やT50を低下させることを軽質化と呼び、軽質化することにより燃料は蒸発しやすくなります。蒸発しやすいということはエンジンのシリンダー内で微粒化し易い→燃焼し易い→ススやSOFが減少するということになるわけです。

  エンジンの排ガス規制別(平成元年排ガス規制、短期排ガス規制、長期排ガス規制)に見ると、排ガス対策の進んでいないエンジンほど効果が高くなります。

  燃料製造面から考えた場合、蒸留の調整は、留分の温度範囲の変更や灯油混合量の変更などにより既設装置で対応可能といえます。また軽質化により低下したセタン価は、セタン価向上剤等により補う方法もあります。

  軽油の軽質化は、即効性、効果、実現性の観点からPM低減効果に大きな意味を持っています。

  神奈川県川崎市では既に公用車等にクリーン軽油として実験的に導入されています。

  もっとも、軽油軽質化に必要な灯油留分は製品灯油としての需要もあることから供給バランスを考えると軽質化軽油の供給量にも限界があります。

環境



2 芳香族

  軽油に含まれる芳香族は一分子内に含まれるベンゼン環数により単環芳香族、二環芳香族、三環芳香族などに分類されます。通常2号軽油中には単環芳香族で二十数%程度、多環芳香族(二環以上)で4%程度含まれています。

  芳香族環数の違いによるPM排出への影響を比較すると、環数の多い芳香族ほどPM排出への影響度が大きいことがわかります。

  燃料製造面から考えた場合、軽油組成は原油や製造装置に依存していることから、組成変更は新設を含む装置対応が必要となってしまい、それに関わる技術的な課題も抱えることになってしまいます。この意味で、組成変更にはさらなる検討が必要といえます。

3 セタン価

  特3号軽油を含めた日本での軽油のセタン価はおおむね47~57の範囲に分布しています。セタン価とPM排出の結果を調べると、平成元年排ガス規制エンジンではセタン価の増加によりPMが低減する傾向が認められますが、短期、長期排ガス規制エンジンでは効果が認められません。

  セタン価の増加によりPMが増加するとの報告もあり、セタン価向上の効果はPM低減の観点よりも炭化水素(HC)、CO(一酸化炭素)、窒素酸化物(NOx)や冷間始動時の白煙などの改善の観点から考慮されることが多いといえます。

  なお、日本の軽油は欧米の軽油と比較してセタン価が高く、着火性に優れることから現実的にはあまり問題とはされていません。

4 硫黄分(低硫黄軽油)

  軽油中の硫黄分の一部はエンジン燃焼中にサルフェート(SO3)を生成し、結合水とともにPM排出として計測されます。短期排ガス規制および長期排ガス規制において、触媒が装着されていない車両・エンジンを用いたときは、PM排出に占めるサルフェートの割合は現行硫黄分レベル(0.05%)の軽油で0.1~3%程度と小さい。これに対して、触媒装着車(長期排ガス規制)においては触媒上でのサルフェート生成のため10~15%程度の割合を示します。

  将来的なディーゼル排ガス低減システムといわれています連続再生式DPFや吸蔵型NOx触媒などにおいては高酸化力の触媒を用いるために触媒上でのサルフェート生成によるPM増加の問題があります。また長期走行時における触媒の硫黄による被毒化=機能低下の問題も指摘されています。

  現在一般的に市販されている軽油は硫黄分が500ppmですが、これを50ppmにした低硫黄軽油の供給が、東京都の要請により平成15年4月から「市中において」部分供給を、平成16年末までには全面供給が開始される予定になっています。

  原油はまず原油蒸留装置で温度ごとに分離される製品が、軽油や灯油、ナフサなどに分けられていきます。その際、多量の水素を含んだガスが出てきます。そのガスは水素化精製装置で使う水素の辺量となります。水素化精製装置は、高温高圧下で原料油と水素を触媒に接触させることで、硫黄・窒素・酸素などの不純物を除去します。

  低硫黄軽油を作るためには、さらに厳しい反応工程が必要であるため、「深度脱硫装置」と特に呼ばれています。

  我が国の軽油の低硫黄化は、NOx低減用のEGR(排ガス再循環装置)への対応として、1992年に500ppm に下げられ、さらに1997年に排ガス後処理装置対応として、さらに200ppmに下げられました。この間の対応で石油業界は約2000億円を投資しています。

  50ppmまで低硫黄化するためにはヨーロッパの場合1トンあたり15ドル程度のコストアップになると予測されています(リッター当たりだと1セントに満たない)。ただし、技術的には問題が無く、新たな設備投資が必要なだけです。日本の場合、設備投資を行うと業界全体で3000億円程度になると見られています。

5 密度、粘度

  燃料の密度低下は芳香族量や蒸留に連動して変化することから、単独での影響の検討は困難ですが、密度の低下によりPMが低減すると考えられています。

  また粘度の低下は噴霧の微細化には有効と考えられますが、燃料噴射系や噴射ポンプにおける圧力リークや潤滑面などの別な観点からの検討も必要となります。

  密度や粘度については、出力、燃費、運転性といった観点も含めて、今後の検討課題といえます。



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